経過報告

――オンライン脚本会議『ギブ・ミー・マイライフ!』開催レポート
共同脚本 葛木英
2025年6月17日、映画『ギブ・ミー・マイライフ!』の脚本制作過程を公開しながら行ユニークな試み「みんなでつくる!オンライン脚本会議」が開催されました。Zoomでの開催ということで、全国から10代~70代の幅広い世代が参加。中には、かつて孤立していた若者当事者の方、無料塾の先生、少年院で働かれている方、難病支援の現場にいる方、議員さん、小説家の方など、立場も経験も異なる参加者が集い、映画の物語を通して「生きづらさ」や「支援とは何か」について語り合う時間となりました。
Mentimeterで“見える化”された声
本イベントでは、アンケートの他に「Mentimeter」という匿名ツールを活用し、参加者がリアルタイムで言葉を投稿。Zoom画面上に可視化されていく形式で進行され、まるで先日のオフラインのワークショップで壁に貼られた付箋を見ているかのような一体感が生まれました。
以下は、参加者さんが書いてくださった言葉の一部です。
【登場人物に関する問い】
「救われた」と感じる瞬間について尋ねられたとき、多くの方が「ただ受け止めてくれる誰かの存在」を挙げてくださいました。
・「肯定でも否定でもなく、ただただ受け止めてくれる人と出会えた瞬間」
・「救われたと感じるのは、恥ずかしくない、頼ってもいいと気づけたとき」
・「主人公は友人関係はしっかりしてるなど、表面上は普通。でも実は虐待されている…そんなギャップがリアル」
また、大人のキャラクターの描写についても深い視点が共有されました。
・「大人のキャラクターは、自分が同じ苦しみを体験したのに、我が子に対して同じ状況を再現してしまう“やるせなさ”を感じてる」
・「複雑な環境で育ち、信頼できる大人に話を聞いてもらいたかったという記憶」
【ストーリー展開に関する問い】
「絶望から希望への“転機”」とは何か?という問いには、
・「努力でしか報われないのではなく、“社会が信じられる”という転機が必要」
・「子ども自身が誰かの支えになる瞬間も、希望になる」
・「誰もが『虐待って、それで何?』という場所に主人公たちがいるラスト」
といった意見が並びました。
【自分事として考える問い】
「困っている若者に、あなたにできることは?」という質問に対しては、多くの方が「話を聞くこと」の重要性を語っていました。
・「最後まで話を聞き、寄り添う姿勢で耳を傾ける」
・「子ども扱いせず、対等に接する」
・「困っている若者が話しかけやすい雰囲気を醸す。アドバイスはしない」
「関係性によって人生が変わる」というテーマに対しては、
・「関わる人によって、自分の気持ちを打ち明けたり、優しくなれたりする。人との関係が自分を変える」
・「誰かのペースに合わせなくていい、自分の歩みを知ってくれて受け入れてくれる存在が必要」
といった言葉も。
実際にはもっと多くのアイディアが集まりそこを起点に深掘りしたり話し合いがなされとても豊かな時間となりました。
描かれるべきは、「現実」と「願い」の間にあるもの
参加者の中には、「追い詰められる親御さんに男女比を感じる」といった現場での実感がチャットで共有される一方で、「そうとは言い切れないケースも知っている」という異なる立場からの声も寄せられました。このやりとりを通じて、「誰かを代表させすぎない表現」の難しさと、それでも語る責任の重さがあらためて浮かび上がります。
もし現実をそのまま描くだけなら、それはドキュメンタリーには敵わない。けれど、フィクションだからこそ、作り手の想いや願いを物語に込めることができる。単なる綺麗事ではなく、観終わったあとに「自分の人生が、ほんの一歩でも前に進むような気がする」――そんな映画を目指して、これからも取材や対話を続けていきたいと思います。
「あなたと一緒につくる映画」が生まれようとしている
『ギブ・ミー・マイライフ!』は、2026年撮影・2027年公開を目指す長編映画です。若者の生きづらさを“他人事”にしないために、そして「生きていていい」と伝えるために。製作チームは今後も、こうした対話を重ねながら脚本づくりを進めていきます。
「今の世界がすべてではない。自分と分かち合える人は必ずいる」
若者の孤立をテーマにしたこのプロジェクトの出発点であり、そして私たちがたどり着きたい未来でもあるのかもしれません。
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🎬【7/29(火) 会場&オンライン同時開催!】
映画監督・古新舜 × D×P代表・今井紀明 特別対談
『子どもたちの未来は、大人との“かかわり”で決まる。』
\社会からこぼれ落ちそうな10代に、希望の光を届けるために/
2027年公開を目指す、映画『ギブ・ミー・マイライフ!』。
その制作背景にある“志”と、現場で若者と向き合う支援のリアルを、
映画監督・古新舜と、認定NPO法人D×Pの今井紀明Noriaki Imaiさんが語り合います。
参加者との質疑応答の時間もございます!
🍀こんな方にぜひ届けたいイベントです🍀
✔ 教育・福祉・子ども支援に関わる方
✔ 若者の孤立や貧困に心を寄せる方
✔ 社会課題をテーマに映画や物語をつくりたい方
✔ 志ある生き方・仕事に触れたい方
🗓日時:2025年7月29日(火) 19:15~20:45(会場18:45)
📍会場:セシオン杉並(東高円寺駅より徒歩5分)/オンライン参加も可能
🎟参加費:1,000円(+任意のご支援歓迎)
💬トークテーマ例:
・なぜ、今「映画」なのか?
・支援現場から見える10代のリアル
・制度を超えて、人が人にできること
・希望をどう物語るか?
🌐お申し込みはこちらから▼
👉 https://givemy20250729talkevent.peatix.com/view
「映画で社会を変える」その一歩に、ぜひ立ち会ってください。
皆様のご参加、心よりお待ちしております🍀