池永妃奈乃
性同一性障害特例法の手術要件は、身体違和が強くあり、手術をしないと日常生活を送れない人が、社会生活を送るために、特例で「性別が変わった」と「みなす」というものだったと認識しています。これは、手術を強制する断種とは全く異なるものです。
だからこそ、手術要件を撤廃することは、身体違和を持つ性同一性障害の方だけでなく、生物学的女性の安全な暮らしを脅かすことだと危機感を抱いており、反対です。
性被害・性犯罪に日常的に遭いやすいのは女性です。進学や就職や出世や政治への参加で排除されてきたのも女性です。それは「性自認が女性」だからではなく、「身体が女性」だったからです。月経や妊娠出産、腕力差などの肉体的なハンデを女性が持つからです。
そんな女性の中に、女性ゆえの肉体的ハンデを持たない男性が入り、女性を名乗ると言う事は、女性に必要な保護や策を考えるためのデータを曖昧にしてしまいます。
生物学的性別の枠があるからこそ、きちんと区別され、女性は守られているのです。
せめて女性を名乗るなら、最低限、性別適合手術は必要だと考えます。