経過報告
日本の脊梁山脈とは、国土の中央を貫き、水や自然環境を支える「背骨」のような山脈です。広大なブナ林が分布する奥羽山脈は東北地方の分水嶺として、雨や雪をゆっくりと蓄え、土壌と岩盤を通じて長時間かけて地下水を涵養し、数十年~100年単位で麓へ供給するという、天然の巨大ダムの役割を果たしています。
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地質的には、奥羽山脈は溶結凝灰岩や安山岩など脆い岩石で形成されており、日本列島誕生期の激しい造山運動を反映した地形を持っています。ブナなどの広葉樹が岩盤の亀裂に根を張り、斜面や岩盤を安定化させている様子がよく見られ、脊梁山脈の破壊は災害リスクを増幅させるであろうことが良くわかります。
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※令和5年4月 鈴木猛康氏撮影
宮城県加美郡では、この奥羽山脈の尾根筋に既に150m級の風車10基が稼働しており、更に最大145基の風力発電計画があります。
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事業計画地内には複数の河川源流部や取水地点が存在します。事業計画地に近接する、 漆沢ダムは、大崎地方10市町に水道水を供給する大崎広域水道の水源であり、二ツ石ダム は、鳴瀬川下流域の大崎市他1市5町約9,700haに展開する大崎耕土(平成29年12月世界 農業遺産認定)への農業用水の供給を担っています。
昨年夏は、少雨による各地のダムの渇水が伝えられましたが、加美郡加美町漆沢ダムでも9月上旬の貯水率は27.1%にまで落ち込み、9月下旬には貯水率ゼロになる恐れがあるとも報道されました。ダム上流域の山の尾根筋に計画されている風力発電施設は、土砂堆積を進め、ひいては大崎耕土・鳴瀬吉田川流域の水資源の供給に支障をきたすのではないかという不安があります。
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この風力発電計画に対しては、加美町町長も住民も反対を表明していますが、事業者が白紙撤回する気配はありません。
宮城県の大切な水源を守るため、国に陸上風力発電規制強化をしていただくよう要望いたします。
加美郡の風力発電を考えるネットワーク