学びと少しの遊びと──中野よもぎ塾 取材レポート
共同脚本:葛木英
中野にある無料塾「中野よもぎ塾」は、経済的に困難を抱える中学生を対象に、無償で学習支援を行う場です。今回は映画『ギブ・ミー・マイライフ!』の取材の一環として現地を訪れ、中学1年生の学習サポートに参加しました。
そっと様子を見ていようとしていると、「是非」と私自身も学習サポートをする流れに。
「取材に来たはずが、まさか勉強を見ることになるとは!?」と、解けなかったらどうしようという少し緊張しながら机を並べてプリントの丸つけ。自分の子どもはまだ小さいので、「中学生の宿題を見るってこういう感じかな?」と思いつつ、手探りで向き合う時間となりました(ギリギリ解けました)
一方で、他の先生方は生徒とのやりとりにも慣れた様子。自然な会話で空気を和らげながら、穏やかに集中へと導いていく姿が印象的でした。元教員、会社員、公務員、大学生など、さまざまなバックグラウンドを持つ大人たちが、生徒2人に1人、あるいは1対1で学習を見守ります。私が通っていた塾では考えられなかった手厚さ。厳しい指導ではないけれど、学びと向き合う空気がしっかりとあり、「なんて贅沢な環境だろう」と感じずにはいられません。
学習後は、白地図を使った「都道府県の陣取りゲーム」。楽しみながら知識を深められる工夫に、大人も子どもも夢中になっていました。
この日は差し入れも充実しており、紙袋には乾麺や缶詰、レトルト食品のほか、お米や野菜もぎっしり。これらは子ども食堂「上高田みんなの食堂」によるフードパントリーとして提供されたものとのことで、食べやすさと栄養バランスの両方に配慮が行き届いているのが伝わってきます。
また、文房具のプレゼントもありました。こちらは中野社協さんを通じて、中野南口の生協連さんが実施された「スタディドライブ」による寄付とのこと。かわいらしいキャラクターの缶バッジやチャーム、おしゃれな消しゴムなどが並びました。すべてが実用品だと「支援されている」という意識が強すぎる。そこに“ちょっと嬉しい”が混ざっていることで、支援という言葉以上のあたたかさが手渡されているように思えました。
(ひと通り皆さんが持っていったあとに辛うじて撮影した一枚。たくさんあってワクワクしました!)
忘れられないのは、代表の大西さんと、昼は公務員として働く男性スタッフの話です。ある生徒が「受験料が払えないから、受験をやめる」とギリギリまで言えずにいたという出来事。行政は“平等性”が求められるため、個別の事情に即時対応できません。でも、任意団体だからこそ動けることがある。「まだ間に合う、お金は貸すので今から振り込みに行こう!」と、手を引いて一緒にATMへ向かったという話には胸がギュッとなりました。「行政には対応できないこともあるんです」と語ったその言葉に、公務員としての現場のリアルが滲みます。
誰かを責めるより、自分に何ができるのかを考える。中野よもぎ塾の先生方やスタッフの姿勢は、まさにその問いに応えているようでした。
そして何より心に残ったのは、先生方の打ち上げがとても楽しそうだったこと。大人にとっても、ここが温かな居場所になっているのだと感じます。
「今度みんなでピクニックでピザを食べるんですよ」と笑顔で語ってくださったのも印象的でした。ディズニーランドに行ったことのない子どもたちを連れて行ってあげてと寄付をしてくださった支援者さんがいて、ディズニーの入口で皆で撮った写真も見せていただいたり。あの笑顔を見たら、支援する側の喜びもひとしおだろうと想像します。
「自分にできることを、楽しみながらやってみよう」──そんな前向きな気持ちをもらえた、かけがえのない一日となりました。
【イベント情報】
6月17日(火)19:30~21:30には、映画のストーリーを支援者と一緒に考えるイベント 「みんなでつくる!『ギブ・ミー・マイライフ!』オンライン脚本会議」を開催します。
少しでもご興味がある方は、ぜひご参加ください!
⭐️イベントの詳細はこちら👉https://givemy20250617.peatix.com/