経過報告

全国知事会の8月1日付緊急提言への抗議声明文提出

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2021/08/04
全国知事会の8月1日付緊急提言への抗議声明文提出

本日、全国知事会の8月1日付緊急提言に対しての抗議声明文を全国知事会、新聞各社に提出いたしました。

  

全国知事会の8月1日付緊急提言への抗議声明

 

  地方六団体の一つ全国知事会(以下知事会)が202181日に「全国的な感染拡大を受けた緊急提言」をまとめ、発表しました。この中で、知事会は政府に対して、現在の緊急事態措置よりさらに強い措置として、「ロックダウンのような手法のあり方についても検討すること」と要望しています。これを受けて自民党の下村博文政調会長は、ロックダウンの法制化にまで言及しました。

 英語で表現していますが、ロックダウンは「都市封鎖」を意味します。日本国憲法で保障された「移動の自由」や「営業の自由」など基本的人権を奪う非常に強い措置であり、相当の強い理由がない限り、簡単に許されるものではありません。また、知事会はお盆や夏休みの期間中、都道府県境をまたぐ不要不急の旅行や帰省を原則中止するよう訴え、やむを得ず移動する場合は感染対策の徹底や、事前のPCR検査の活用を求めています。

 しかし、日本の新型コロナウイルスの陽性者数・死亡者数は、欧米に比べて格段に少ないことがすでに明らかになっています。この7月から始まった「第5波」においても、陽性者数は過去最高とされていますが、新型コロナによるものとされる死亡者数は全国で1日に数人から十数人程度と、非常に低い水準で推移しています。

 入院を要する中等症や重症者が増え、医療が逼迫しているとも伝えられていますが、それは新型コロナに対応する法制度や医療制度の欠陥を、政府、都道府県、医師会等が1年半も放置してきた結果であり、そのツケを一般市民に負わせるべきものでありません。そもそも、高齢者へのワクチン接種が進み、それが本当に効いているのであれば、一般市民の移動や飲食を恐れる理由がどこにあるのでしょうか。

 にもかかわらず、幾度も緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置を繰り返してきた結果、飲食業、旅行・観光業、イベント業など特定の業種が壊滅的な被害を受けています。また、こどもや若者たちは新型コロナのリスクが極めて低いにもかかわらず、小中高学校の修学旅行や文化祭の中止、大学の対面授業の制限など、「高齢者をコロナから守るため」に、友だちとの楽しい経験や青春を奪われ続けています。

そもそも、この「緊急提言」なるものは、すでにウイルスが蔓延した状況ではありえない「ゼロコロナ」や、東京での陽性者を「1日100人以下にする」といった、ありえない目標設定から生まれています。どんなに自粛を要請し続けても、リスクの低い感染症であることを知っている市民の人流を止めることなどできません。蔓延したウイルスを人為的にゼロにすることなど不可能なのは、もはや明白です。 

 増幅サイクル数(Ct値)を高めて、検査をすればするほど増える「陽性者」数の抑制を目標とするのではなく、ハイリスク者を集中的に守り、重症者・死亡者を減らすことに目標を変えるべきです。そのためには十分な重症病床を確保するとともに、民間病院や開業医も積極的に患者を診療するよう促し、重症者をスムーズに高度医療につなげる「地域医療連携」を強化する。それこそが、各都道府県知事の役割です。

 その本来行うべき任務を行わず、「移動すること」や「集まること」「飲食すること」が悪いと決めつけ、基本的人権の制限ばかりを政府に求める今回の知事会の提言に、私たちは強く抗議します。

  

                                               2021年8月4

                              「コロナ」前の暮らし取り戻そう!市民の会 

発起人一同

 


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