署名の受付が終了いたしました。
ご協力頂きまして心より感謝申し上げます。
大変ありがとうございました。
日高山脈を含む新国立公園の名称に
「十勝」を入れるべきではありません!
『日高山脈国立公園』に!
日高山脈を含む新国立公園の名称に 「十勝」を入れるべきではありません! 『日高山脈国立公園』に!
- 提出先:環境大臣
活動詳細
*5月22日(水)に環境省中央審議会自然環境部会(第49回)が開催されることになりました。北海道自然保護連合は、署名活動を19日(日)で終了しました。20日(月)に北海道地方環境事務所長に署名簿を提出します。
*紙署名とオンライン署名の合計は1003名です。本サイトのオンライン署名は右記のとおりです。最後までご協力いただき感謝申し上げます。
■ はじめに
環境省は、北海道中央南部に位置する「日高山脈及び襟裳岬並びにその周辺地域を構成地域とする国立公園」の指定を今夏にも予定しています。
原生的自然が現在の「日高山脈襟裳国定公園」よりも大きく拡大し日本最大になり、また、飛び地状態だった襟裳岬周辺、アポイ岳周辺と一体化します。
環境省は、2023年11月9日から1か月間、名称未定のまま、指定や公園計画などに関し意見の募集(パブリックコメント)を行い、1月11日に結果を公表しました。提出された意見は127通で、その中で名称に関する意見は14件ありましたが、「十勝」を入れてほしいとする意見はありませんでした。私たちも「十勝を入れるべきではない」との意見を提出しました。
しかし、2月1日に周辺13市町村の首長が「日高山脈襟裳十勝国立公園」を名称にする要望書を提出しました。「十勝を入れる」唯一の理由としてあげているのが「観光客や利用者に地理的な位置を分かりやすくする」というものです。
十勝自然保護協会と北海道自然保護連合は、2月7日に「十勝を入れるべきではない」「日高山脈国立公園が最適」とする記者会見を行い、2月14日には環境大臣宛に要望書を提出しました、また、北海道自然保護協会も北海道勤労者山岳連盟と連名で2月16日に同趣旨の要望書を提出しました。さらに、2月19日には、日高町村議会議長会も「日高山脈襟裳国立公園」との要望書を提出しました。
しかし、2月22日の中央環境審議会自然環境部会では、周辺13市町村の首長が要望したものが「地元の意見」として提案され、短時間の審議で「日高山脈襟裳十勝国立公園」案が多数の意見として承認されました。部会には自然保護団体・山岳団体や日高町村議会議長会の要望書など「十勝を入れない」との文書すら資料として提出されませんでした。
私たちは、部会の進行が極めて公平性に欠けるため、十分な時間の確保と適切な資料を委員に提供した
■ 名称に「十勝」を入れるべきではない理由
1 日高山脈という名称にすでに「十勝」は含まれます。
日高山脈という名称は定着した地理的固有名詞です。日高山脈の領域は、地理的・行政的に日高(振興局)と十勝(総合振興局)にまたがっているので、日高山脈の名称の中にすでに十勝は内包しています。したがって、十勝を入れることは、屋上屋を架すこととなり、論理的におかしいことになります。
2 日高山脈は地図帳にも載る有名な場所です。
日高山脈という名称は、小中学生の地図帳にも明確に記載されております。したがって、周辺市町村長会の要望理由のように、十勝を加えることで「観光客や利用者に地理的な位置を分かりやすくする」必要もありません。かえって、観光客にとっては公園の範囲が分かりにくくなり、むしろ混乱を引き起こすものと考えます
3 「日高山脈」= “原生的環境”。 「十勝平野」= “日本の代表的穀倉地帯”。
「日高山脈」と「十勝」を並置するならば、日高山脈に内包されていない十勝、つまり日高山脈に近接する十勝平野には国立公園として保存すべき貴重な自然がある必要があります。しかし、私たちは十勝平野には、湿地・湖沼群・特異な植生を有する海岸部を除き、そのような貴重な自然はないと考えます。十勝平野は、広大で整然とした畑作・酪農を中心とする日本の代表的穀倉地帯であり、本来の意味での自然はほとんど残っていません。したがって、国立公園の名称にはふさわしくありません。むしろ「農業王国・食糧基地・広大な平野」というイメージの強い「十勝」を加えることによって、原生的環境を特色とする公園計画の本質が極めてあいまいになります。国内の国立公園の名称には2つあるいは3つの地域名が並置されているものがありますが、それはそれぞれの地域に国立公園として保存されるべき貴重な自然があるためと考えられます。
4 大雪山国立公園と阿寒摩周国立公園にも「十勝」と入れるの?
「十勝平野から眺める山並みは雄大」です。しかし、西方に日高山脈の山並みが見える十勝平野中央部からも、北方には、十勝岳連峰、トムラウシ山、然別火山群、東大雪を含め大雪山の雄大な山並みも見えます。これらの山々は大雪山国立公園に含まれ、位置的には新得町、鹿追町、士幌町、上士幌町の各町の範囲に入ります。しかし、この大雪山国立公園の名称に十勝を加えよとの声は全くありません。東方の阿寒摩周国立公園の雌阿寒岳・阿寒富士・オンネトー周辺は足寄町で、市街地には雌阿寒岳・阿寒富士が美しく見える丘があります。この二つの山は本別町からも見えます。しかし、阿寒摩周国立公園に十勝を加えよという声は全くありません。眺望を理由に名称に「十勝」を加えることは奇異と言ってもよいでしょう。
5 環境・自然保護の本質が曲げられそうで心配です。
本来国立公園として保全すべき地域以外の地名を国立公園周辺市町村の要望によりその地域名を入れることは、環境省が本来行うべき環境・自然保護行政を歪曲するものです。そのような前例を作ると、今後国立公園周辺の市町村から同様の要望が出てくると認めざるを得なくなるのではないでしょうか。悪しき前例を作ることになります。
■「襟裳」はどうする…
新しい国立公園の範囲は、公園計画では「日高山脈一帯、アポイ岳周辺、豊似湖周辺、襟裳岬やその周辺海域等」です。ここには「襟裳岬やその周辺海域等」が含まれていますが、地理的表現では一般に日高山脈は襟裳岬で太平洋に没していると言われているように、日高山脈の地理的範囲は、北の佐幌岳付近から南の襟裳岬まで約150kmです。公園の範囲になる日勝峠から襟裳岬まで日高山脈そのものです。
今回は、指定地域の大幅な拡大により飛び地問題は解消され、文字どおり日勝峠から襟裳岬に至る日高山脈そのものになりました。「襟裳」は「日高山脈」に内包されており、「日高山脈襟裳国立公園」とする必要はないと考えます。
ただし、襟裳岬と周辺海域を、その特異性から、今後は「海域公園」(海中・海上を含む海域の景観や生物多様性を保全するため国立・国定公園内に指定される保護区)として設定が想定されるかもしれないとの観点から残しても良いという見解もあります。
■自然環境部会で審議のやり直しを!
私たちは、関係自治体首長の意見だけを「地域の意見」とし、多様な意見を聴かずに排除する姿勢は大変問題であると考えます。自然環境部会の進行が極めて公平性に欠けるため、十分な時間の確保と適切な資料を委員に提供したうえで再度審議するべきことを環境省に求めます。
■ 活動内容の詳細
本文作成者:十勝自然保護協会
署名活動団体:
「十勝自然保護協会 活動速報」には、日高山脈の国立公園化に関する環境省への要望書・質問書や環境省からの回答、今回の署名活動が掲載されていますので、ご覧ください。
http://nctokachi.sapolog.com/
皆様のご協力をお願いいたします。
■エールの使用法
この度、寄付はお断りさせて頂いております。その皆様のお気持ちを一人でも多くの方に知ってもらえる様、拡散にご協力宜しくお願い致します。 エールはVoice運営会社へのエール(寄付)となりますので、お間違い無きようお願いいたします。
■ 団体(代表)プロフィール
十勝自然保護協会
十勝自然保護協会は1971年に発足しました。十勝地方の自然を保全し、自然環境の保護育成につとめ、生活と文化向上に貢献することを目的に、さまざまな活動をしています。自然保護に関する調査活動、自然破壊行為を止めさせるための諸活動、自然保護に関わる啓発活動などです。
■ SNS
twitter:
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Instaglam:
新着報告
署名活動に賛同し署名していただいた皆さまへ
5月19日で署名を終了しました。
ありがとうございました。
5月19日は、帯広駅南広場で街頭署名(紙署名)を行い、さらにいくつかの集会会場を回り、個人にも呼びかけ、紙署名とオンライン署名を合わせて1003名の賛同者が集まりました。
翌20日に、環境省北海道地方環境事務所長に1003名の署名簿を手渡し、環境大臣に届くように依頼しました。 *添付の報道記事等をご参照ください。
22日には、中央環境審議会自然環境部会が開催され、「名称に十勝を入れる」ことについて一定の反対意見があったものの、前回2/22開催の自然環境部会で異例の多数決で方針として了承されたこともあり、諮問どおりの結果となる答申になりました。
北海道自然保護連合としては、国定公園の時にも入っていなかった「十勝」が、根拠もなくねじ込まれるように併記されたことに憤りを持つものです。今後、懸念される観光優先の動きに対しさらなる監視をしていき、貴重な自然の保護に力を入れていきます。
なお、5月31日付で「日高山脈襟裳国定公園を国立公園に指定する中央環境審議会の答申に関する声明」を出しました。「十勝自然保護協会 活動速報」に掲載しましたのでご覧いただければ幸いです。
今後もご支援をよろしくお願いいたします。
北海道自然保護連合
署名活動に賛同し署名していただいた皆さまへ
5月19日で署名を終了しました。
ありがとうございました。
5月19日は、帯広駅南広場で街頭署名(紙署名)を行い、さらにいくつかの集会会場を回り、個人にも呼びかけ、紙署名とオンライン署名を合わせて1003名の賛同者が集まりました。
翌20日に、環境省北海道地方環境事務所長に1003名の署名簿を手渡し、環境大臣に届くように依頼しました。
22日には、中央環境審議会自然環境部会が開催され、「名称に十勝を入れる」ことについて一定の反対意見があったものの、前回2/22開催の自然環境部会で異例の多数決で方針として了承されたこともあり、諮問どおりの結果となる答申になりました。
北海道自然保護連合としては、国定公園の時にも入っていなかった「十勝」が、根拠もなくねじ込まれるように併記されたことに憤りを持つものです。今後、懸念される観光優先の動きに対しさらなる監視をしていき、貴重な自然の保護に力を入れていきます。今後もご支援をよろしくお願いいたします。
北海道自然保護連合