決済事業者および金融機関による表現への過度な規制・介入に反対します
決済事業者および金融機関による表現への過度な規制・介入に反対します
- 提出先:経済産業省 文化庁 公正取引委員会 消費者庁 関連決済機関•金融機関
活動詳細
はじめに
私たちは、クレジットカード会社、決済代行事業者、金融機関などが、決済サービスを通じて合法的な創作・表現に過度な規制や介入を行うことに反対します。
漫画、イラスト、ゲーム、小説、同人誌、映像、クラウドファンディングなど、現代の創作活動において決済サービスは不可欠な社会基盤となっています。
そのため、決済事業者や金融機関が、自らのサービスを提供する立場を通じて、合法的な創作物の販売・公開・支援にまで大きな影響を及ぼすことになれば、結果として、文化や表現の流通そのものが左右されることになります。
私たちは、違法なコンテンツや、具体的な被害者の権利を侵害する行為への適切な対応まで否定するものではありません。
しかし、合法的な創作・表現について、決済事業者や金融機関の判断によって一方的に流通を制限したり、特定の表現を事実上排除したりすることには、慎重であるべきだと考えます。
活動を立ち上げた理由
近年、決済事業者や金融機関の判断・要請が、創作物の販売や公開に直接的な影響を及ぼす事例が相次いでいます。
2024年にはDLsiteが、提携するクレジットカードブランドから表現に関する要請を受け、一部の語句の伏字化やタグの変更を実施した後、Visa・Mastercard等の利用停止に至りました。
同年にはマンガ図書館Zでも、決済に関する契約やコンテンツ削除をめぐる問題が発生しました。
2025年にはpixivFANBOXが、クレジットカード会社や決済代行事業者からの要請によってR-18コンテンツの審査コストが増加していると説明しました。
また、同年には駿河屋でも成人向け商品のクレジットカード決済が一時停止し、一部ブランドで再開される事例がありました。
海外でも、Steamやitch.ioなどで決済事業者のルールへの対応を理由として成人向けゲームの削除・非表示が発生するなど、決済インフラがコンテンツの流通に影響を与える事例が確認されています。
さらに2026年9月には、pixivFANBOXにおいて、決済事業者からの指摘を理由として漫画作品が公開停止になったとのクリエイター側からの報告も相次いでいます。
これらは成人向け作品だけの問題ではありません。
決済サービスを提供する企業の判断が、創作物そのものの公開・販売・支援の可否にまで影響する構造が生まれていることを、私たちは問題として捉えています。
解決したい問題
私たちが反対しているのは、決済事業者や金融機関が法律上必要な対応を行うことではありません。
また、違法なコンテンツや、明確に第三者の権利を侵害する行為への対策を否定するものでもありません。
問題としているのは、例えば、
• 法律によって禁止されていない創作・表現について、決済事業者独自の基準によって過度な制限を行うこと
• 決済サービスの提供を通じて、プラットフォームやクリエイターに特定の表現の削除・変更を求めること
• 決済を停止・制限することによって、結果的に特定のジャンルや表現を市場から排除すること
• どの事業者が、どのような基準で、何を問題としたのかが明らかにされないまま、コンテンツの流通が制限されること
• 「決済会社の要求なのか」「決済代行会社の判断なのか」「プラットフォーム自身の判断なのか」が不明確なまま、クリエイター側だけが影響を受けることです。
決済という社会基盤を提供する立場にある事業者が、経済的な影響力を利用して、合法的な表現に過度な介入を行うことには反対します。
求める対応
私たちは、決済事業者、決済代行事業者、金融機関などに対し、以下を求めます。
1.合法的な創作・表現への過度な規制・介入を行わないこと
決済サービスの提供を理由として、法律上認められている創作・表現を不必要に制限したり、特定の表現を事実上排除したりすることを避けることを求めます。
2.コンテンツ制限の基準を明確にすること
コンテンツの販売・公開・決済を制限する場合には、可能な限り具体的な基準を公開することを求めます。
3.判断の主体と根拠を明らかにすること
コンテンツの削除や販売停止等が求められた場合、その判断が決済事業者、決済代行会社、金融機関、プラットフォーム等の誰によるものなのか、また、どの規約・基準・契約等が根拠となっているのかを、説明可能な範囲で明らかにすることを求めます。
4.異議申立ての機会を確保すること
合法的な創作物が制限される場合には、クリエイターや事業者が判断について説明を受け、異議を申し立てることのできる仕組みを確保することを求めます。
5.決済手段の多様性を確保すること
一部の決済事業者への依存によって、合法的な創作活動そのものが事実上不可能になることのないよう、多様な決済手段が利用できる環境の確保を求めます。
この問題は、成人向け作品だけを対象とするものではありません。
漫画、ゲーム、イラスト、小説、同人誌、映像、クラウドファンディングなど、あらゆる創作活動が対象となり得ます。
現在は特定のジャンルに対する制限であっても、「決済事業者がどこまで創作・表現に介入できるのか」という問題は、将来的により広い表現へ波及する可能性があります。
だからこそ、私たちは特定の作品やジャンルを守ることだけを目的とするのではなく、決済・金融インフラによる創作・表現への過度な規制・介入そのものに反対します。
これら問題に関しての関連機関に、透明性と説明責任を求めます。
決済事業者や金融機関にも、自社のサービスをどのように提供するかを決める自由があります。
しかし、その判断によってクリエイターの作品、事業者のサービス、利用者の選択肢が失われるのであれば、その影響力に見合った透明性と説明責任が必要です。
「誰が、何を、どのような基準で問題とし、なぜ決済を制限したのか」
これが分からないまま、合法的な創作物の流通が止められる状況を、私たちは望みません。
私たちは、決済・金融インフラが文化や表現の流通に大きな影響力を持つ時代だからこそ、その力が創作・表現への過度な規制や介入につながらないこと、そして必要な場合には十分な透明性と説明責任が確保されることを求めます。
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メッセージ
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暮らしの安心、豊かな自然、受け継がれてきた文化。失ってからでは、取り戻せないものがあります。
私たち一人ひとりに大きな権力はありません。けれど、誰にでも社会を動かせる力があります。それが「声」です。
声を上げなければ、何もなかったこととして社会は進んでいく。でも、一人の声にもう一人の声が重なり、何千、何万となれば、社会を動かす力になる。
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